2016年11月13日日曜日

2016-11-13 第28回「ツール・ド・おきなわ2016」大会


とうとうツールド沖縄本番の日がやってきた。

5:30起床。
天気も良く風も穏やか。最高のレース日和だ。
6:00に民宿で朝食を取り、7:30頃会場へ移動。すでに大量の自転車が置かれている。
前回実績よりゼッケン50番以下の選手は優先して前方出発が許されると思ったが、やはりこの大会の運営は曖昧でなしになる。せめてゼッケン1~10、11~20位は場所を確保してほしいけど、まぁこの大会の運営レベルはこんなものだろう。適当に後ろにおいて待機。
流石に400人いるとすごい光景。
自転車だらけでスタートが大変そうだ。
残念ながら今回も仮設トイレが設営されず施設のトイレを使用したが、施設の規模が大きくなっていて助かった。それでも運営側は何とかするべきだろうが...いかん、レース前に文句ばっかり考えてもしょうがない。

スタート地点には箱根や富士山、昨年のおきなわで競い合った方々がいて、レース前に話などできて良かった。2年前よりWAPPAジャージで活動を始めたけど、覚えてくれている方もいるようだ。自転車を通じた「競い合い」の中で作られる縁というのは面白い。
前日にスーパーで買った羊羹をかじりながら出走を待ち、合図に合わせてスタート位置へ移動。先頭から右端3列目位をキープ。
9時頃に笛が鳴り、名護一番乗りを目指して400人がスタート。


結果:市民140㎞ 18位 (4時間05分05秒391) 2回目山岳賞獲得

パレード走行はないまま2車線を使ってスタート。序盤のトンネル区間はとくに落車が発生しやすいので、まずは足を使って一気に先頭へ移動する。少し集団から飛び出てしまったけど、無理にペースを上げず、安全な位置を確保、応援の方々に手を振りながら先行する。
すぐにメイン集団は有力選手であるステファノ選手を筆頭に形を成していく。僕もその集団左側(あまりいいポジションではないが)で前方をキープしながらトンネルへ突入。「ブレーキ!!」の怒声がトンネルに響き渡り怖かったけど、とりあえず周囲で落車が起きなくて良かった。その後は普久川ダムの山岳に向けて鋭角コーナーがあるのだが、僕も大声で「ラインキープ!」と叫び、安全運転を促す。たまにここでペースアップをする輩がいるが、ただの落車を促す危険走行なのでやめてほしい。せっかく沖縄に来ているのだから、楽しく戦り合いましょう。

得意な登坂区間に入ったので、とりあえず集団先頭へ移動。
昨年同様に先頭でペースを刻んでみる。すると去年と違い、皆ガシガシとついてくる。これは抜け出るのは難しいか。去年は飛び出るのが早すぎたから放置されたんだろう。上りの得意な選手が次々と前に上がってきて、先頭が入れ替わりながら気持ち速いペースで進んでいく。序盤で皆元気なのかもしれないが、そこそこ負荷のかかったペースだったと思う。とりあえず終盤近くのカメラポイントでは先頭通過((笑)
途中ニヤニヤしながら「TKCさんですね」と声をかけてくる選手。僕も驚きもせずに「ドイさんですね」と返す。彼とは5月の箱根ヒルクライムで一騎打ちをして以来だが、「優勝する」と公言する精神的も強い選手だ。他にも強い選手は沢山いるけど、やはり意識してしまう。少しお喋りしつつも一回目山岳ポイントへ近づく。先頭付近の小集団で突っ込み、僕も狙える位置にいたのでアタックしてみたが、仕掛けどころが早すぎ簡単にまくられる。山岳賞は一番通過のみなので、すぐに諦め3番通過。無駄足を使ったけど、しょうがない。

下り始めると続々と後ろから合流してくる。

実は大集団でこの区間を下るのは3年目の参加にして初めである。一昨年、去年は1回目山岳賞をとり単独で補給区間ぐらいまで下山していた。やはり大人数だと下りの下手さ(というか人数の多さへの不慣れ)でポジションを落としてしまうが、安全第一だし先は長いので気にしない。ただ、下り終わってからも中々ハイペースが終わらない。風車が見えるあたりになってようやく落ち着いたの
で補給を開始する。皆同じことを考えたのか、一斉にスローペースになって補給タイムになる。
たまにペースが上がるけど、基本まったりと辺戸岬を回る。途中の市民100kmスタート地点あたりではサイクリングペースになっていたので先頭に上がる。BEX ISOYAの選手も前に上がったので話しかけてみると、被写体になるチャンスをうかがっている様子。まぁ僕も同じようなこと考えていました。
その後、トンネルを抜けて海岸線に出ると再び活性化。パワフルな走りをするステファノ選手を筆頭に先頭で動きがあり、再び集中モードに入る。
ペースが上がりながら二回目の普久川ダムが近づいてきた時点で、7名程先行しているのに気が付く。後方にいたので分からなかったが、有力選手のステファノ選手も含まれている。集団のペースにもよるが放置したくなかったので何とかフリッジしたい。

普久川ダムの登坂が始まったところで集団の前に出ようとしたけど、集団が横一杯に広がっていて動けない。何とか隙間を探しつつ、強引に左の路肩を駆け上がって先頭に移動。そのまま一気にペースを上げて先行集団にブリッジする。このメンバが逃げるつもりがあるのかはわからないけど、一応チェックしておきたい。
そのまま走っているとこのタイミングで逃げる意思がないのを感じたので一安心。ただ、メイン集団とは一定距離が開いているので、2回目の山岳賞争いはこの先行集団に絞られる。

せっかくなのでここで存在感を示そうと、再び山岳賞を狙いにペースを上げる。ついてくるのは2名、そしてそのうち一名はドイ選手。
「総合優勝を狙うなら、こんなところで足を使わない方が良いのでは?」
と、提案してみるも
「いやぁ、欲しいなぁ」
との回答。
レース中盤にして、ドイ選手と箱根HC以来半年ぶりの決戦の火ぶたが落ちた。

まずは僕から400Wでペースアップ。
一人切れたがドイ選手は普通についてくる。その後も2名でペースを上げながら登る。ここで勝負するのは理にかなっていないことは分かっている。優勝狙いの選手から見たら馬鹿にしか見えないだろう。でもここまできたら意地の張り合いだ。これが自転車レースだ!
結局お互い下がらずにラスト1kmからの下りに入る。ここで僕が若干遅れたのでドイ選手が先行。やはり総合力では彼の方が強い。ただ、1回目の失敗からスパートポイントは把握していたのでラストの攻撃に備える。ドイ選手が最後の登り返しでペースを上げたのをシッティングで追撃、若干ダンシングのペースが落ちた瞬間を狙ってカウンターで抜き去る。その時点で勝負はあったのだが、興奮しすぎてKOMまで全力で走り切った。

3年連続3回目の山岳賞獲得。
得たものはドイ選手との楽しいバトル。
失ったものはパワー、スタミナ。特に足を攣ったのはイタイ。だが楽しかったので後悔はない。
そのまま単独で下山。やはり一人だと下山が気楽だ。市民100㎞(over40)の選手がちらちらいたので抜きながらとなったが、人数が少ない分走りやすい。

補給地点までは独走で通過
その後、下り坂が終わったくらいで集団と合流。メインはだいたい50人くらいか?
いよいよ後半戦開始だ。

とは言いつつも、山岳賞争いで相当消耗してしまったため(というか足攣った)、足の回復を図るため最初の学校坂はとにかく楽に走って切り抜ける。ここで集団内にステファノ選手がいないことに気が付く。メイン集団の有力チームが彼を警戒していて、普久川で遅れた彼を追いつかせないように下りで突き放したとのことだ。そして「ステファノが学校坂で切れた」等との情報が聞こえてきた。僕とドイ選手が先行している間にメイン集団でそんなことがあったのか...

その後メイン集団に大きな動きはない。長い坂でペースがたまに上がるけど、上げる選手も思い切り飛ばすほどのパワーがないのだろう。どちらかというと、コースの厳しさで各々が消耗していく感じ。

ただ、やな雰囲気だったのが集団内で偉そうな口を利く選手がいること。信じられないが「まだ人数が多いなぁ。今までもっと楽に動けたなぁ」などいう輩がいるのである。そういうあなたは優勝経験者ですか?後方待機の口ばかりではありませんか?人数が多いと思うならご自分で行動を起こしては?レーサーたるもの言葉ではなく走りで示してほしい。

なだらかな下りではまったり、坂では消耗戦といった感じでレースは進む。
途中、「逃げ3名2分!」という情報が飛び込む。いったいいつ逃げた?全く気が付かなかったけど、すでにメインから分単位で距離を作っているとは。大口叩く連中はこういう情報をもっと流してほしい。まぁ文句を言ってもしょうがない。

逃げが出ているのでスプリントポイントでも上がらず、消耗戦は続く。

2回目の補給ポイントを通過するとき、僕はたまたま5番手くらいにいた。そこで何故か先頭がペースアップ。まさかアタックか?前を見ると竹芝とイナーメの選手が引いているようだ。そのままついて行くが、補給地点でのアタックって所謂「マナー違反」じゃなかったっけ?場合によっては補給地点での落車を誘発する。両チームとも有名・有力チームなんだからそんなせこい真似してほしくないのだが。
結局後ろもなんとか合流して人数は変わらず。ただここで消耗した人は可哀想な気がする。

その後もアップダウンが続くものの、大きな動きはない。途中なだらかな直線下りで、僕の目の前でリアタイヤを滑らせた落車が発生。左端の草むらに突っ込んで回避し、何とか落車せずに戻れた。皆疲れてバイクコントロールも怪しくなるので、後半程気が引けない。

おおよそアップダウンが終了すると、もう集団人数を減らすことが出来ないと集団が判断したのか、最後の羽路ダムまではスローペースになる。ここでポジションを3番手くらいにあげる。また、市民100㎞(Under39)にこの辺りで抜かれた。

正直羽路を登り切れる足はない。走れるだけ走ろうと思っていると、ドイ選手が「5.5倍で踏めば後ろは千切れます!」と元気よく声をかけてくる。まぁ最後まで頑張りましょう。
羽路ダムの登りに先頭で入り、ペースを刻む。中々アタックがかからないが、途中でイナーメ・竹芝が上がってくる。ただ、去年より殺人的なアタックには感じず、何とか最後尾に張り付く。脚が限界近くなるが頂上のトンネルあたりまで気合で張り付く。が、トンネル後の右折箇所で完全にパワーダウンし、千切れてしまう。無念。

同じく千切れ気味になった選手で4名の集団を形成し、名護に向けた最後の国道へ向かう。ここから4人で回していけば、羽地でメインから千切れた後方集団に追い付かれないだろう。
集団でそのままコース最後の坂「イオン坂」へ突入。
逃げるつもりはなくとも、お互いの調子確認や足を削るために少しペースアップ。僕も周りに合わせてダンシングを開始、したとたんに下半身が動かなくなる。痛さを感じずに全部攣った。
ついにここまでか...集団を見送りつつ、何秒かすると下半身に感覚が戻り、インナーローで何とか上まで登り切る。千切れたのは悔しいけど、後はゴールに飛び込むのみ。最後数キロ、全身全霊の個人TT開始。

後方に羽路で千切れた10名強集団(第三集団)が見え始めるが、手元のGarminではラスト1kmを示す。このまま逃げ切ってやるぜ!と走るが、Garminが141㎞を示すころ、目の前に「Last 2km」の看板ば見える。うん、まぁ、そういうことね...ラスト1kmで集団に捕まる。
ただ、去年と同じ展開だったのでかなり落ち着いていられた。ギリギリまで我慢してボロボロの足でスパート。この集団のメンバーもやはり140㎞走って満身創痍だったのか、キレがない。なんとか2、3番手くらいでゴールを通過。

結果は18位で去年と一緒。ただ、去年よりも最終局面に長くいることが出来たので、確実に自分のレベルが上がったと感じた。


ゴール後は他選手や仲間とワイワイと。今年一番きついレースだったけど、きつい程面白い。本当にわけのわからないスポーツだ。

色々声をかけてくれたドイ選手は7位だったらしい。惜しくも入賞圏外だが、彼なら次は本当に優勝するかもしれない。ただ、僕も今回のレースはかなり手ごたえを感じたので、次回もし参加出来たら本気で優勝狙おうかと思う。

とにかく最高に楽しいレースだった。


反省・感想
確実なレベルアップを実感・・・レベルアップというか、全然練習できなかった去年と比較して、そこそこ練習した今年はかなり最終局面まで走る脚があった。もっと勝利にどん欲な走りに徹すれば、それこそゴール前まで勝負ができたと思う。別に今回の走りに後悔はないけど、上にも書いたが次参加のチャンスがあれば、本気で優勝を狙って走ろうと思う。
3年連続山岳賞獲得・・・2年前からヒルクライムレースを始め、今年はついに箱根HCとKOHで優勝を果たしたことで、今年は山で譲りたくない気持ちが強かった。また毎年のように沖縄前にシャカリキを読んだせいで、峠でペースを落とすことが出来なかった。そんな訳で今年は2度の山岳賞争いに絡み、2回目の山岳賞を獲得。メチャクチャ消耗したけど楽しいひと時だったので後悔はない。ただ、上述のように次参加する際は優勝するつもりで走ろうと思うので(無論練習時間が確保できれば)、もう山岳賞は狙わない。よそ見して勝てるほど僕は強くない。
ゴール前スプリントの動き・・・第三集団のゴールスプリントとなったけど、割と良く動けた。当たり前のことだが、140㎞走ってボロボロなのは僕だけではない。楽観してはいけないし、別に僕が強いわけではないが、もうこういう状況のゴールスプリントがあっても怖くはないだろう。覚悟さえ決めれば勝負できる。
補給食の選定・・・次回おきなわに参加できれば改善すべき事項。固形食はスポーツ羊羹2本半食べ、Mag-onジェルを2つ、100mlゼリーを4本食べたけど、もう少し準備しても良かった(余る分には良い)。次回はスポーツ羊羹を4本、Mag-on4つ、ゼリー3~4つの他、電解質ドリンクを作る。仲間で電解質パウダー一気飲みによって足攣りを防止できたとのこと。長距離レースにほとんど出ないので補給食について検討する機会がなかったけど、次回勝つつもりならもっと考えよう。
相変わらず下手な下り・・・下りが下手でポジションを落とす場面はあったけど、マシンコントロールで危ない思いをする場面はなかった。下手なりに安全に走れれば良いので、無理しないでいこう。どこまで改善できるかわからないけど、こればかりは無理にリスクを負うような走りは避ける。ただ、エアロフォームについては今後も検討を進めよう。


思い返えしてもメチャクチャきついレースだったが、それ以上に楽しいレースだった。
ただ、繰り返しになるが、今度出るチャンスがあれば楽しむだけではなく、本気で勝ちに行こう。最近は9月末のKOHが僕のピークになっているけど、もう少しだけ頑張ろう。
仕事の関係で年末年始から1カ月前後自転車と離れるので、また2月くらいから鍛え直しになる。
でも、まだまだパワーアップできる要素はあるので、また来シーズンも頑張って、楽しいレースをしよう。
まだまだこれからだ!

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