2019年4月27日土曜日

2019-04-27 第2回 富士スプリングエンデューロ

スポーツエントリーを眺めていて見つけた「富士スプリングエンデューロ」。
何気に今まで富士スピードウェイを走ったことなかったし、たまにはエンデューロ系レースも出たいと思っていたので、大型連休初日の本レースにエントリィ。
カテゴリは「アタック100」で、約100㎞のレース。上には「アタック180」があるけど、補給やトイレの心配などするとレースを楽しめそうにないので、100㎞にした。180㎞だと帰りも遅くなるし...

何だかんだ早起きして6時前に富士スピードウェイに到着。
初めてサーキットに来たけど、日本CSCとかとは比べ物にならないくらい広い。これだけでも来たかいがあった。
道中雨が降っていたけど、到着したらたまに日差しも出るので安心(油断)していた。
そういえばコースピットにはたくさんトイレがあった。レース前に行列をつくる必要がないので、これは本当に助かる。

寒い中自転車を組み立て、しばらく時間を潰して8時から試走。
路面は乾く傾向にあったので、空気圧は高め。コーナーがきつい部分もあるけど路面がきれいなのでそんなに心配は不要。スピードが出るコースで中々楽しい。事前の調査不足だったのだけど、ホームストレートに向かっては若干登坂がある。アウターで登り切ってしまうような坂なので決定打になるかは不明だけど、アタックポイントの一つだろう。

試走していたら暖かくなってきた。多分レース待ち時間は寒いだろうけど、レース中は暑くなるだろうと思い、ウィンドブレーカーとニーウォーマーを外してスタートラインに移動する。
そこで久々にYoucanのオオクラさんに会う。富士チャレ常連らしいので色々話を聞いていると「このコースは逃げが決まる」とのこと。こんなスピードコースで逃げれるの?と聞いてみたら、「2年前に俺が逃げて優勝した」とのこと。本人談なら間違いないな...
因みにその時の自転車談義が面白かった。
Q「アタックを決めるコツは?」
A「決まるまでアタックを続けること」
これぞ真理だ。本当に難しいのはアタックを決めた後なんだよね。
並んでいると段々天候が悪くなり、なんと雨が降り始める。朝の天気予報だと晴れだったのだが。運営側からも落雷が確認された時点で即レース中断、その他の天候については随時審判から変更指示が出る可能性について説明があった。中断したら残念だけど、こういったイベントは無事に終了することが大事なので、運営側のスパッとした判断は助かる。

9:30に180kmがスタートし、その3分後に100㎞が出走する。例によってMATRIXの監督が大事な話をするのだが、長話になってしまい「やべ、じゃぁ10秒後スタートな!」と慌ただしくレーススタート。

結果:アタック100 優勝(悪天候のためレースを2時間に短縮)
スタートと同時にサポートのMATRIXの選手がダッシュ!いきなり来た、と思ったら勘違いらしく、他のMATRIXの選手が「パレードだよ!」と周囲を制し、すぐに隊列を整えて走り直す。最初の集団はアタック100と4時間エンデューロが混走しているので150~200人くらいの集団か?とにかく安全第一で走る。そのまま丸一周パレード走行で、2周目のホームストレートでパレード解除。
とりあえずセオリー(?)通りがつんとペースが上がるので集団に混ざって走る。ペース速いなぁと思いつつ、MATRIXの方々がローテーションでかなり引いているので、多分安全のために集団を細切れにしようとしているのだろうか。細切れにされないようにしないと。
それにしても雨が強くて嫌になる。最初の一周で靴下はずぶ濡れ、視界は悪いし、晴れると思ってタイヤの空気圧を下げなかったので、自転車を倒しこむ気になれず、ストレスが溜まる。当初の目標は「集団で脚を溜める技術を学ぶ」「平地得意の選手の動きを観察する」「ゴールスプリントに参加する」だったのだけど、こんな雨ではどれもダメそうだ。大集団で下手すれば落車もあり得るから、いつも通り(?)どこかで仕掛けるか...
とりあえず強豪オオクラさんをチェック
毎回のようにホームストレート手前の登坂区間でペースが上がるけど、その後のストレートで捕まってしまうので、難しいところ。まぁ前述の通り「決まるまで打つ」しかないんだろうなぁ。
そんな時、ローテーションの関係で登坂手前の下りで先頭になり飛ばしていたら集団から距離が離れた。光の選手がついてきていて、光の選手が登坂区間で上げるのでそれに強調して僕も逃げを打つ。ただ、光の選手はきつそうなので、これは失敗かなと思うが、まぁアタックなんて簡単には決まらないのでまた集団に戻るか、なんて考えていたら、実は自分の前にSDLナカムラ選手が前待ちしていたので合流。
スタートから20km位で2名VSメイン集団。ゴールまで75㎞程なので去年のツールドおきなわよりヤバい距離では?まぁ楽しんだもん勝ちだし、このまま行ってみましょう。
まぁ実際のところ悪天候なのでメイン集団は機能しにくいだろうし、それなりの勝機はあると思う。二人で走っていると、ナカムラ選手は雨を気にせずグイグイ下るので、若干離される。さっさとこのペースに慣れないと後半ヤバいな。と思いながらローテーションして走っていくと、登坂力は僕の方が上っぽい。
雨の中2名逃げで登りVS下りってシャカリキっぽいな。なんて思いながら走り続ける。まぁ千切りあいではなく協調でしたが。
「いま落雷があれば1-2位だね」なんて冗談を言いながらローテーションを続ける。
途中バイクが3分前にスタートしたアタック180とのタイム差を報告してくるのだけど、正直全く興味がない。そんなことよりもアタック100メイン集団とのタイム差を教えてくれ。
周回を続けるうちに雨がどんどん強くなってくる。水没したアームカバーを外そうとするが、指がかじかんでかなり手間取る。補給も指が動きにくいし、シフトチェンジすらやりにくい。Di2とかだったらこんな時も楽なんだろうなぁ、と思うけど買うことはないだろうな。時間経過とともにどんどん体が冷たくなってきて、本気でDNFしようかと思ったけど、まだ優勝の可能性があるので走り続ける。
11時頃にバイクが寄ってきて、レース中断の報告を聞く。レース時間を2時間で終了とするため、11:33を過ぎた後のゴール順位で表彰するとのこと。この時点で後続と1分50秒ほどの差。タイム差は広がる傾向だったし、この時点から後続集団が協調できるとも思えないので、あとはトラブルを起こさないように2名でゴールを目指すのみ。
と思っていたら登坂区間でナカムラ選手が千切れる。前の周から寒さでかなりやられたようだ。彼の下りは頼りになるのだけど、残り1-2周ほどなので、あとはソロで頑張るか。
淡々とペースを刻み、バイクに誘導してもらいつつフィニッシュ。当初より短かったけど、80㎞走れたので良しとしよう。
転んだらカッコ悪いのでガッツポーズは片手です。
今期3勝目!
流行りの「ディスクブレーキ&エアロロード」勢に勝った!

問題はレース後だ。低体温症っぽくなり、とにかくつらい。持ってきた食べ物を全部食べ、濡れたジャージから着替えても震えが止まらない。苦しい中自転車をしまい、缶コーヒーで暖を取りつつ表彰を待った。嘘みたいだけど、レース中よりきつかった。実際今回のレースは寒さに耐えられずDNFした選手が多数いたようだ。
そんなことがありつつも、チャンピオンジャージ獲得。
寒さに震えながら、何とか無事帰宅した。
疲れていたけど、水気に弱いEMONDAをメンテ。やっぱり雨のレースは嫌だなぁ。

反省・感想
準備不足…結果的にレースは優勝したけど、元々大集団レースのトレーニング気分で参加したのが良くなかった。悪天候に対する準備がまったく出来ていなく、結果的につらい思いをした。フェンダー、シューズカバー、レインソックスに帽子などそれなりの対策はできたはずなのに。中途半端な走りでは自分と他選手を危険にさらす。順位云々の前に自分のための準備はしっかりやろう。
初サーキット…何気にサーキットレースは初めてだった。路面がきれいで走りやすいし、確かにチームエンデューロとかには向いているのだろう。本当に晴れていれば最高だったんだろうなぁ。あと、アップダウンがあるのは知らなかった。今回は登坂があったおかげで勝てた感じかな。
いよいよ逃げ職人…去年のツールドおきなわ以来スプリント強化(技術面)を意識していたけど、大舞台での逃げを経験したおかげで、今回も逃げ切り勝利を収めることが出来た。逃げが出来るかどうかはレースの雰囲気に左右されるのだけど、「逃がしてくれる空気」を読めるようになっているのだろうか。あと、逃げた後の出力の出し方も上手くなったと思う。もはやパワー値が上がるような年頃ではないけど、技術次第で強くなれるんだろうな。

色々反省点は多いレースだったけど、今年はこれで開幕3戦3勝と、これ以上ない結果だ。冬の間三浦半島を走りこんだ効果かな。
ただウェイトがアレなので、次戦のヒルクライムはあまり期待できないかな。まぁ楽しんだもの勝ちだ。頑張っていこう。

*追記
本大会のレースレポートを検索すると、「雨で酷い」「低体温症になった」「雨でスピードが出てブレーキが利かない」などとネガティブなコメントをしている記事が見つかります。ただし、悪いのは「天候」であって「レース運営」は素晴らしかったと思います。
第一に悪天候時に参加するかを決めるのは参加者本人、低体温症云々の体調関係は(私を含めて)個人の準備不足が原因です。更に言えば、「雨でブレーキが怖い」というのはレース以前の問題です。そもそも自転車で「怖い=コントロールできない」速度を出してはいけません。自分だけでなく他参加者を危険にさらすことは絶対に許されません。
何百人もの参加者を無事に帰宅させるため、運営側は常に難しい判断が要求されますが、本大会は「落雷が観測された瞬間速中止」や、参加者が体調を崩して事故が多発する前にレースの切り上げをするなど迅速な判断をしていました。
なので来年参加を検討している方へのアドバイスで繰り返しになりますが、悪かったのは「天候」のみで、運営は素晴らしかったと思います。

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